ほど消耗していくと言われている。やがて肩が壊れ、枯渇して何も
書けなくなる。そういう作家を山程見てきたと脅される。あまりに
色んな人から言われるので、きっと本当なんだろう。この年二本と
いう挑戦に僕は内心恐怖を感じていた。勿論やるからには全力投球
だ。問題はやっていけるかどうかだ。
作家は孤独だと言われている。その苦しみを本当の意味では誰とも
分かち合えないからだ。長い時間をかけて一人で机に向かう。たっ
た一言が生まれてこない時もある。悶絶しながらそれでも向かう。
何度も何度も考え直し、読み直し、問題を探る。何が問題さえもわ
からないことだってある。よく、ひらめくとか、神がおりてくると
か聞くが、そんなことはまず起こらない。ただ苦しむのみである。
書けない時程邪念が押し寄せる。誰だっていい作品だと言われたい。
けなされたくない。役者達にはやり甲斐を感じてもらいたい。尊敬
されたい。モテたい。煩悩に苦しめられることだってある。一体何
がやりたいんだ、何故今、書いているのか、足下の地盤がユルユル
になり、沼から抜け出せない。それでも書かなければ何も始まらな
い。みんな待っている。いい戯曲を待っている。いい戯曲ってなん
だ。そもそも順番がおかしくないか。公演があるから書く?書くこ
とがあるから公演をする?わからん。もうわからんくなってきた。
苦しい。遅れると怒られる。嗚呼逃げたい。心は南の島へ。という
パターンに陥っていく。
作家は自分の弱さといつも対峙し対決しなければならない。今回こ
そ本当に書けないんじゃないか。恐怖心が身体を支配する。劇団と
第十二話「年二回公演をやるっちゅうことはね」蓬莱竜太