第五話「忍者の話だ『つくば寺セブンローズ』」 蓬莱竜太  旗揚げ公演から1年と少し。僕たちは再び高円寺明石スタジオに 舞い降りた。忍者のはなしを引っさげてな。 何故、忍者だったのか。覚えていない。当然時代劇なのだが、内容 は時代劇のそれではない。  忍者の里がある。忍者の里には忍者達が住んでいる。忍者達は宝 塚のように「星組」「雲組」「月組」「花組」「空組」などに分か れている。それぞれいずれかの組に所属しており諸国からの任務を 請け負っている。物語はその「花組」の話だ。「花組」は男七人で 構成されている。舞台は古寺「つくば寺」。 大晦日の夜、彼らが任務の為つくば寺にやってくるところから物語 は始まる。 彼らの任務は忍者界ではあまりに有名な男、ソロで活動している「 ガロ」という忍者が今晩つくば寺を通過して稲毛城の方向へ抜ける から、何としても止めろ、というものであった。何故、何の為かは 下々の忍者には知らされない。ただ任務を遂行するのみ。先発とし て出動していた「月組」やら「星組」の網は既に破られている。
第五話「忍者の話だ『つくば寺セブンローズ』」蓬莱竜太