低いよって話です。まぁ、やったわけだが実際低かったなぁぁ。低 っ!と誰もが思ったはずである。 そこに巨大な鳥がやってきて、その忍者は食べられそうになって暗 転、というシーン。(ちなみにその忍者とはONEOR8の作・演 出田村孝裕)この巨大な鳥も出したい出したいと、純演劇少年だっ た僕は座長におねだりをする。  僕の頭の中のビジョンはこうである。まず劇場は新橋演舞場にな っている。タッキーやら光一くんやらがよく飛んでいるあの劇場で ある。人を乗せた凧が高々と舞い上がる!人口的に風を送って凧に 付いてるヒラヒラが風に踊る!凧も風に煽られ安定しない!客席で 見ている可愛い女の子が「キャッ」と口元に手をおさえ小さな声を あげてしまう!ようやく風をつかみ安定したところに「巨大な鳥が きたぁ!」となる!(ちなみに姥捨山の老婆を喰っている巨大な鳥 がいる、という前フリをしている)え、え?どんな鳥くるの?と客 はなる!そこに舞台袖から、それこそ舞台袖の高さいっぱい10メ ートルはあるであろう大きさの鳥の頭がデデデデ、ズズズズ、と現 れる!全員ギャーーーッ!暗転!! ということになっている。頭の中ではそうなっているのだ。なって いるのが問題なのだ。実際は明石スタジオである。「スタジオ」と 本人も言っているではないか。しかし座長は鳥の頭を出すことを喜 んで快諾。知り合いの業者に発注。勿論10メートルの大きさとは
第五話「忍者の話だ『つくば寺セブンローズ』」蓬莱竜太