ぶら下がった鳥を見て、 蓬莱「これ客入れからぶらさげておくしかないよねぇ」 西條「そうだね、ないね」 蓬莱「だよね」 西條「うん」 蓬莱「うん、仕方ないね」 仕方ないじゃねぇだろ!と今の僕なら後ろから突っ込む。当時は笑 って終わっていた。せめて黒い布をかけておくとかの発想はなかっ たのか。いや、そもそも自分が創る劇場の空間をちゃんと意識する ことは出来なかったのか。 鳥を仕込んだ時点で爆笑していたなぁ。  おわかりだろうか。知らないということは楽だ。笑って済ませら れる。だから楽しいものだ。しかし、知っていけばいくほど、経験 を積めば積むほど、作業は増える。一つの作品を創る労力は知識や 経験を得る度、雪だるま式にそれは増えていく。考える量、考えな ければならない量が増えていく。前はこれくらいの時間で創れてい たものが、今は創れない。鳥の頭をどうするか、どう見せる、どう
第五話「忍者の話だ『つくば寺セブンローズ』」蓬莱竜太莱竜太